あるふぁの株式投資

グレアム流バリュー投資の実験記録。16.4.11にスタート。ギャンブルではなく、堅実な投資を目指す人向けのブログ。

平均収益と収益トレンド

当期の一株当たり利益が70円の会社を3つ考える。それぞれA、B、Cとし、過去6年の一株当たり利益 の推移は以下の通りとする。

〈A〉10 20 30 40 50 60 当期70

〈B〉70 70 70 70 70 70 当期70

〈C〉130 120 110 100 90 80 当期70

これらの情報から、同じ当期一株当たり利益の株3つはいくらが妥当といえるのでしょうか?以下を読む前に、ぜひ自分で一度考えてみてください。

もちろん実際はこれだけでは評価しようがないわけですが、あくまで一例として大体の算定をしたら?という話です。利益の推移以外は同条件だと仮定してください。


解1 収益トレンドを考えれば〈A〉はすばらしく、今後も成長が期待できるため1400円でも安いといえる。

〈B〉は700円が妥当。(PER10倍)

〈C〉は先細りが予想されるため350円がいいところ。

具体的な数字はさておき、多くの人はこのように評価したと思われます。

 

解2 7年間の平均収益はそれぞれ40円、70円、100円となる。これを10倍した400円、700円、1000円が一応の評価となる。

私はどっちかといえばこれに近い考えです。そしておそらく圧倒的に少数派。解1とは真逆の評価になるのが実に面白いですね。

 

詰まる所、将来の利益がどうなるかによるので過去の利益なんて無関係、というのが本当の正解かもしれません。しかし株式市場では解1の考えによって株価が決定されていることが多いです。そして〈A〉のような会社の株購入には、危険な面があることを知っておくべきです。

それは過去の収益上昇トレンドがこれからも続く保証はどこにもなく、むしろ経済の性質としては競争、規制などで減速する可能性のほうが高いということです。しかも高値で掴んでいるので、こけたら怖い。

何度か書いたような気がしますが、利益を中心に価値を考える人はくれぐれも慎重に。特に大儲けを目指すと、分の悪いギャンブルでしかありませんので。

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