わけがわからない人間
「短期での」値動きや政治経済を予測することは誰にもできない。
よりわかりやすく言えば、誰でも当てることもあるし外すこともある、当て続ける人も外し続ける人もおらず、勉強をしてもしなくても、頭がよくても悪くても一切関係のないただのじゃんけんと同じ。
理由をあれこれ言うまでもないでしょうし、大儲けするためには「できる!」と信じなければいけない人には何を言っても無駄でしょう。
なので私が最近遭遇したというか、聞いた話を一つ。
ある碁会所で勝ち負けに応じて段位が上下する総当たり戦のようなものをやっていて、その対局結果をボードにみんなで書き込んで記録していました。それを見れば今トップは誰だとか調子悪いのは誰だとかすぐにわかります。
数か月に一度集計して順位を決めそれに応じて段位の上下、賞品などを決めるのです。
別に珍しいことではないですし、何も問題は起きようもない話に思えるでしょう。普通に考えれば。
ある日ボードを見た人が不思議に思います。この人に私、勝ってなかったっけ?なんで負けたことになってるんだろ? また別の日他の人も気づきます。あれ負けたんだっけ私?記憶違いかな?
・・・その後すぐボードの改ざん事件が発覚しました。皆ただただ唖然とするばかり。
真面目に分析するのもバカバカしいですが、①絶対にすぐばれる、②得るものがほとんどない、③ばれた後のリスクだけがでかい、④この事件が起きるまでは普通の人のように見えなくもなかった、という点において極めて理解不能の事件です。
こんな例外的な人間の話と政治経済などは別次元の話だと言われればそうかもしれませんが、他人のことを理解できるというのは幻想だという示唆を与える事件とは思えませんか。この人に突っ込んで聞いてみれば何か納得できる理由があるのかもしれませんし、ないのかもしれません。
少なくともこの事件の発生を誰が予測できたでしょうか?
人間がみんな合理的で少なくとも損得勘定をする生き物なら、もしかしたら短期の予測も可能なのかもしれません。しかしどうしても私にはそう思えないのです。